
はじめに
今回行ってきたのは、静岡県静岡市にあるバンダイホビーセンターの「BHC PDII MUSEUM」。
ガンプラをはじめとしたプラモデルが、どのように企画され、設計され、実際の商品になっていくのかを見て、学んで、体験できる施設です。
プラモデルが好きな人にとっては、工場そのものがすでに特別な場所。
ただ展示されている完成品を見るだけではなく、プラモデルが生まれるまでの工程や、金型、成形、色分け、パッケージづくりまで知ることができます。
実際に行ってみると、「プラモデルって、こんなに多くの技術や工夫が詰まっていたんや」と改めて感じました。
今回は、入場料金や営業時間、少し注意が必要な予約方法、入場者だけが購入できる限定グッズ、奈良からの距離や高速料金、周辺駐車場までまとめて紹介します。
バンダイホビーセンターで見学できるのは新工場のミュージアム
最初に知っておきたいのが、現在一般向けに公開されているのは、従来の工場ではなく、2025年に新工場内へオープンしたBHC PDII MUSEUMだということです。
正式名称はかなり長く、
BANDAI HOBBY CENTER PLAMO DESIGN INDUSTRIAL INSTITUTE MUSEUM
となっています。
従来のバンダイホビーセンターは現在、一般の工場見学を募集していません。見学を希望する場合は、新工場2階・3階に設置されたBHC PDII MUSEUMを予約する形になります。
新工場は「魅せる工場」をコンセプトにしており、稼働中の工場を見られるだけでなく、自分自身がプラモデザイナーになったような体験ができるのが特徴です。
入場料金と営業時間
入場料金は以下のとおりです。
大人(13歳以上):2,860円
小人(6歳~12歳):1,100円
未就学児(5歳以下):無料
営業時間は9時から17時30分までで、体験の所要時間は約90分です。
ただし、自由に入場して好きな時間まで滞在する一般的な博物館とは少し違います。
予約した入場時間から体験が始まり、決められた流れに沿って見学していく形式です。そのため、当日は入場時間の10分前までに、同行者全員がそろった状態で受付を済ませる必要があります。
遅刻すると体験できない場合があるため、遠方から向かう場合は、渋滞や電車の遅延を考えて余裕を持って到着した方が安心です。
休館日は2026年5月1日から、月曜日・火曜日・年末年始・その他会社指定日となっています。臨時休館や変更の可能性もあるため、予約前には公式サイトの営業カレンダーを確認しておきたいところです。
予約は完全予約制、しかも基本は抽選
ここが一番注意したい部分です。
BHC PDII MUSEUMは、当日に思いついて立ち寄れる施設ではなく、完全予約制です。
さらに、チケットは基本的に抽選販売となっています。
抽選は毎月1日午前0時から、来場予定月の3か月前の受付が始まり、同月末日の23時59分に締め切られます。第1希望から第3希望まで選択でき、申し込みには無料のプレミアムバンダイ会員登録が必要です。
例えば10月に行きたい場合は、7月1日から7月末までに申し込むような流れです。
複数人で申し込む場合は、同伴者の氏名と生年月日も入力します。当選後は、日付や同伴者情報を変更できません。
名前などの登録情報が本人確認書類と違っていると、入場できない可能性があります。旅行の日程を組む前に、同行者の情報まで正確に確認しておいた方が安心です。
抽選後に空きが出た場合は、抽選結果発表日の翌日午前0時から先着販売されます。先着枠は来場日の前日まで購入できますが、空きが必ず出るわけではありません。基本は、3か月前の抽選に申し込むつもりで予定を立てる方がいいと思います。
当日はスマートフォンやタブレットで二次元コードを表示し、運転免許証などの本人確認書類を提示します。二次元コードのスクリーンショットでは入場できないため、スマートフォンの充電切れにも注意が必要です。
実際に見て学べる内容
館内は、大きく「STUDY AREA」と「LABORATORY AREA」に分かれています。
STUDY AREAでは、プラモデルが商品として完成するまでの製造工程や技術を学べます。
企画、設計、金型、成形、パッケージなど、普段は完成した商品からしか想像できない裏側を、展示を通して順番に見ていく形です。
稼働中の工場内部を見ることもでき、製品が大量に生産されていく様子を間近に感じられるのも、この場所ならではです。
見どころの一つが、4,300体以上のプラモデル製品展示や、実物大ガンダムサイズの巨大なガンプラモニュメント。
ガンプラモニュメントは、完成したガンダムをそのまま大きくしたものではなく、ランナーにパーツが付いた「組み立て前」の姿をイメージしています。プラモデル工場らしい発想で、入口からかなりインパクトがあります。
また、バンダイホビーセンターでは、1つの金型から異なる色や素材を同時に成形できる独自の多色成形技術が使われています。
完成後に塗装をしなくても色分けされたプラモデルを組み立てられるのは、こうした技術の積み重ねがあるからです。普段何気なく組み立てているパーツにも、「作りやすさ」と「再現性」を両立する工夫が入っていることが分かります。
自分がプラモデザイナーになる体験
LABORATORY AREAでは、自分自身がプラモデザイナーになったような体験ができます。
専用のIDカードを使い、タッチパネル上でプラモデルの形や色を選び、金型設計やパッケージデザインまで進めていきます。
ただ画面を触って終わる簡単なゲームではなく、
「どんな形なら組み立てやすいのか」
「色分けをどう考えるのか」
「商品として手に取りたくなる箱にするにはどうするか」
など、ものづくりに必要な考え方を順番に体験できるのが面白いところです。
最後には、自分でデザインしたオリジナルパッケージと、選択したモデルのランナープレートを持ち帰ることができます。
実際の成形機によるプラスチック成形の実演もあり、ミュージアム限定の成形品が1つプレゼントされます。見学した記憶が、形として手元に残るのはうれしいところです。
この体験から学べたこと
今回一番印象に残ったのは、プラモデルは単に「パーツを作って箱に入れている商品」ではないということでした。
一つの商品が店頭に並ぶまでには、企画する人、形を設計する人、金型を作る人、素材や色を考える人、パッケージを作る人など、多くの仕事がつながっています。
特にすごいと感じたのが、完成品の見た目だけではなく、組み立てる人の体験まで設計されていること。
パーツを切り離しやすくすること、間違えにくい構造にすること、説明書を見ながらスムーズに完成させられることまで考えられています。
普段は「このキットは作りやすかった」「色分けが細かい」と何気なく感じていますが、その裏側には何度も試作と改善を繰り返した結果がある。
ものづくりでは、完成品そのものだけでなく、使う人や作る人がどんな気持ちになるかまで考えることが大切なのだと感じました。
また、過去の技術を残しながら、新しい成形技術や環境への取り組みを進めている点も印象的でした。
バンダイホビーセンターでは、使用済みランナーを回収して再利用する取り組みや、太陽光発電なども進められています。新工場を含む施設全体には多数の太陽光パネルが設置されており、プラモデルを作り続けるために、環境への配慮も同時に考えられています。
子どもにとっては工場見学や職業体験として楽しめるし、大人にとっては、普段買っている商品の見方が少し変わる場所だと思います。
入場者限定のお土産とオンライン販売
限定グッズの販売方法は、大きく2種類あります。
一つは、館内のPLAMO GALLERYに設置された自動販売機で買えるグッズです。
マフラータオル、ハンドタオル、エコバッグ、ピンズセットなど、BHC PDII MUSEUM限定デザインの商品が販売されています。
ただし、館内でプラモデル本体の販売は行われていません。館内の限定グッズは、大人または小人のチケットを持っている人に限り、各商品1人1個まで購入できます。支払いはクレジットカードやPayPayなどのキャッシュレス決済が中心です。
もう一つが、来場者限定のオンライン販売です。
入場確認後、チケット購入者へメールで購入案内が届き、プレミアムバンダイから限定プラモデルなどを注文できます。
購入できるのは入場日翌日の23時59分まで。期限を過ぎると買えないため、帰宅後にゆっくり考えようと思って忘れないよう注意が必要です。
現在公式サイトで案内されている限定商品には、
- ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム(フルウェポンセット)BHCPDIIカラー
- 30MS リシェッタ BHCPDII COLOR
- プラノサウルス ティラノサウルス BHCPDIIカラー
- 1/60 電動式4色射出成形機 BHCPDIIカラー
などがあります。商品は追加・更新されるため、来場時のラインナップが同じとは限りません。
現地でしか買えない雑貨と、来場後にWEBで買えるプラモデルが分かれているので、両方忘れずに確認しておきたいところです。
奈良からの距離と所要時間
奈良市周辺から静岡市の東静岡エリアまでは、車でおよそ300km前後。
交通状況や出発地点にもよりますが、休憩を含めずに約4時間前後、渋滞やサービスエリアでの休憩を含めると、4時間30分から5時間ほど見ておいた方が安心です。
主なルートは、
奈良
↓
京奈和自動車道または西名阪方面
↓
新名神高速道路
↓
伊勢湾岸自動車道
↓
新東名高速道路または東名高速道路
↓
静岡市内
という流れになります。
高速料金は、利用するインターチェンジや経路、ETC割引によって変わりますが、普通車で片道6,000円台から7,000円前後を見ておくとよいと思います。正確な料金は出発前にNEXCOの料金・ルート検索で確認するのが確実です。
往復すると高速料金だけでも1万円を大きく超え、さらにガソリン代も必要です。
ミュージアムの体験は約90分ですが、奈良からの往復だけで8時間以上かかる可能性があります。
朝早く出て見学し、そのまま奈良まで戻ること自体は不可能ではありません。ただ、行き帰りの運転時間を考えると、個人的には奈良から日帰りで行くにはかなりきついと感じます。
静岡駅周辺や東静岡周辺で1泊し、静岡ホビースクエアや静岡グルメを組み合わせた方が、体力的にも気持ち的にも余裕を持って楽しめると思います。
高速道路を走るときの注意点
奈良から静岡までの移動では、伊勢湾岸自動車道や新東名高速道路を走る可能性が高くなります。
伊勢湾岸自動車道は橋の上を走る区間が多く、横風が強い日は車体が流されるように感じることがあります。特に軽自動車や背の高い車は、ハンドルをしっかり持って速度を出しすぎない方が安心です。
新東名は道幅が広く走りやすい一方で、景色が単調な区間も長く、速度感覚が鈍くなったり眠気が出たりしやすい印象があります。
2時間以上続けて走ろうとせず、途中のサービスエリアで休憩を入れるのがおすすめです。
また、名古屋周辺は分岐が多く、交通量も増えます。
ナビを見て直前に車線変更するのではなく、ジャンクションの数キロ手前から案内標識を確認しておくと安心です。
予約した時間に遅れると入場できない場合があるため、当日は「ちょうど間に合う時間」ではなく、東静岡駅周辺へ1時間ほど早く着くくらいの予定で動く方がいいと思います。
駐車場は施設内にないので注意
BHC PDII MUSEUMには、来場者用の駐車場も駐輪場もありません。
公式サイトでは、電車やバスなどの公共交通機関を利用するよう案内されており、工場周辺や近隣店舗への無断駐車は固く禁止されています。
車で静岡まで行く場合は、東静岡駅周辺のコインパーキングに駐車して、そこから徒歩または電車で向かう形が現実的です。
公式のお知らせでも、東静岡駅周辺のコインパーキングから徒歩約10分で向かうよう案内されています。
東静岡駅周辺には複数の時間貸し駐車場があります。
規模が大きいところでは、グランシップ西側駐車場が普通車約400台。一般利用は1時間200円、入庫後24時間最大1,500円と案内されています。
そのほか、10台から20台前後の小規模なコインパーキングも点在しています。
予約した時間が決まっている施設なので、満車の駐車場を探して回るのは避けたいところ。車で行く場合は、台数の多い駐車場を最初から候補にして、入場時間よりかなり早めに東静岡へ到着するのがおすすめです。
なお、料金や収容台数は変更される可能性があるため、当日は現地の看板を必ず確認してください。
電車で向かう場合
施設は静岡鉄道の長沼駅から徒歩約3分、JR東海道線の東静岡駅から徒歩約8分です。
東静岡駅から歩ける距離なので、奈良から新幹線を使う場合も比較的分かりやすい立地です。
車で静岡へ行く場合でも、少し離れた駐車場へ停め、東静岡駅から徒歩で向かう方が周辺住民や近隣店舗への迷惑にならず安心です。
まとめ
バンダイホビーセンターのBHC PDII MUSEUMは、ガンプラが好きな人だけが楽しむ場所というより、ものづくりそのものの面白さを体感できる施設でした。
企画から設計、金型、成形、パッケージまで、一つの商品が生まれる過程を順番に知ることで、いつも手にしているプラモデルの見え方が変わります。
自分で形や色を考え、パッケージを作る体験もあり、見て終わるだけではないのが良かったところ。
料金は大人2,860円ですが、約90分の工場見学とデザイン体験、お土産まで含めると、内容はかなり濃いと思います。
ただし、完全予約制でチケットは基本的に抽選。
3か月前から動く必要があること、当日は本人確認書類が必要なこと、施設には駐車場がないことは、必ず事前に知っておきたいポイントです。
限定グッズも、館内で買う雑貨と、入場後にプレミアムバンダイで買えるプラモデルに分かれています。WEB販売は入場翌日の23時59分までなので、ここも忘れないよう注意が必要です。
奈良からは片道300km前後。
日帰りでも行けない距離ではないけど、往復の運転と決められた入場時間を考えると、かなり慌ただしくなります。
個人的には静岡で1泊して、バンダイホビーセンターを中心に、静岡ホビースクエアや静岡駅周辺のグルメまで楽しむ流れがおすすめです。
プラモデルを普段から作る人はもちろん、
「商品ってどうやって作られているんやろ」
「ものづくりの仕事を見てみたい」
「子どもに製造やデザインを体験させたい」
そんな人にも合う場所。
完成したプラモデルを見るだけでは分からなかった、作り手側の工夫や情熱を感じられる貴重な体験でした。














